人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)

第31回AI美芸研+LIVE x DOMMUNE
「2020→90's DTM」

記録ページ

    • 第31回AI美芸研+LIVE x DOMMUNE 「2020→90's DTM」
      2020年7月9日(木)|ゲスト:一ノ瀬響、松前公高

      ■19:00-21:35 第31回AI美芸研 x DOMMUNE
      「2020→90's ツール駆動型DTM作曲」
      ■21:50-23:40 AI美芸研LIVE x DOMMUNE
      「2020→90's デスクトップ<D・E・V・O>ライブ」

      自動作曲の歴史を有する音楽ジャンルではどこからを作曲のAIと呼んでよいのか判然としない。だが90'sに多くの人々がパソコンを手にするやいなや開花したMAXやSoundEdit等によるマルチメディア感満載のDTM(デスクトップミュージック)の隆盛は、それ自体は「知能ではない」としても、「ツール駆動型作曲」であったと考えるならば、間違いなくその源流であったろう。

      前半の研究会では、'97年にコンピレーションCD「MAXバラエティーショー」を企画監修した音楽家の一ノ瀬響、同年に『デジタル・ミュージック・ブック』を上梓し、今月7/22には往時音源を集めた2枚組CDをリリース予定の松前公高をお招きし、2020年の視点から90'sのDTMを振り返り検証する。

      後半のライブでは、一ノ瀬、松前がデスクトップ・ライブを繰り広げ、また現在アーツ千代田3331で開催中の「アーリー90's トーキョー アートスクアッド」展(7/26迄)に出品中の当会・中ザワがSoundEditとMM Directorで往時制作した「抽象自動書記アニメ」を実演する。

      政府からの要請によりキャパシティーを通常の3分の1に絞った、ほとんどDEVO「生存学未来編」(笑)なガイドラインを守ったうえで、アコリバ(ACOUSTIC REVIVE)全面協力の魔改造がヤバイと噂の会場にて、超限定20人ソーシャルディスタンシングLIVE+有観客配信!する。

開催概要

  • 【名称】

    • 第31回AI美芸研+LIVE x DOMMUNE 「2020→90's DTM」
      (前半)第31回AI美芸研 x DOMMUNE
      「2020→90's ツール駆動型DTM作曲」
      (後半)AI美芸研LIVE x DOMMUNE
      「2020→90's デスクトップ<D・E・V・O>ライブ」
  • 【日時】

    • 2020年7月9日(木)前半19:00-21:35/後半21:50-23:40
  • 【会場・参加費・配信】

  • 【出演】

    • 一ノ瀬響(音楽家)
      松前公高(ミュージシャン、シンセサイザープレイヤー)
      中ザワヒデキ(美術家、人工知能美学芸術研究会代表)
      宇川直宏(DOMMUNE:声の出演)
      ※研究会では全体討論の時間を設けます。
  • 【主催】

    • 人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)
    • DOMMUNE

講演内容

  • 「『MAXバラエティーショー!!』から、“非定量的”作曲へ」
    一ノ瀬響(音楽家)

    • 1997年に一ノ瀬が企画監修したオムニバスCD「MAXバラエティーショー!!」(Kaeru Cafe)は、当時の商業音楽の主流であったMIDIシーケンサーではなく、MAXというプログラミング寄りのソフトウェアを使って音楽作りをする音楽家らの作品をコレクトしたものだった。MIDIシーケンサーは主に定量的楽譜を自動演奏するものであったのに対し、MAXによる作曲ではなんらかの音楽的イベントの発生を作家自らが考案するアルゴリズムで制御することが可能で、この点に可能性を見出した。このCDの制作経験はその後の一ノ瀬のソロ作品における音響生成の方法に大きな影響を与え、また器楽作品の作曲においては、群を記述するための“非定量的”図形楽譜を採用することにも繋がってゆく。本講演ではそれらについて実例を挙げつつ解説を試みる。
    • ※東京藝術大学安宅賞受賞者の一ノ瀬響の作曲には、群知能によりその場で音が生成されるものもある。各種楽曲提供、TVCM、映像のサウンドトラック制作等。ソロアルバム「よろこびの機械」「Lontano」「Earthrise 2064」他。目下ほぼ10年ぶりとなるソロ新作を準備中。(※文責・AI美芸研)
      http://kyo-ichinose.net/
  • 「ツールに触発されて作る音楽」
    松前公高(ミュージシャン、シンセサイザープレイヤー)

    • 80年代前半から、インディーズで「きどりっこ」で活動し、その後「エキスポ」「スペースポンチ」やセガのゲームミュージックバンド「S.S.T.バンド」など、常にシンセサイザーをメインとしたユニットで音楽活動を続け「おしりかじり虫」やアニメ「キルミーベイベー」などの音楽を担当したシンセサイザープレイヤー、松前公高が音楽制作ソフトやシンセサイザーといった機材に触発される事で制作を行っていたDTMの時代から現在までの作曲、即興プロセスを紹介する。
    • ※松前公高は1997年の著書『デジタル・ミュージック・ブック』でシーケンサ等をぐいぐい使いデタラメ現代音楽等を作曲する方法を説いている。今月7/22には往時音源を集めた2枚組CDをリリース予定。(※文責・AI美芸研)
      http://www.manuera.com/?menu=artists&name=松前公高
  • 「自動化技術としてのAI、自動書記、ツール駆動、90'sのテクノについて」
    中ザワヒデキ(美術家、人工知能美学芸術研究会代表)

    • 自動ピアノの為に作曲したコンロン・ナンカロウの複雑怪奇な楽曲は、自動ピアノという装置自体が作曲家の脳に憑依した結果とも考えられる。これをツール駆動型作曲と呼ぶならば、そうしたテクノな事態は90'sのDTMにも顕かだ。さらに脳自体もツールであると見なすなら、意識の介在無しに脳自体を脳に憑依させようとしたシュルレアリスムの自動書記法もこれに連ねられるだろう。AIが広義には知的労働の自動化技術であることと距離が狭まる。本講演では深層学習というデータ駆動の狭義AIによる自動作曲が行われるようになった2020年時点からこうした論点を指摘し、演者が90'sにSoundEditとMM Directorで追求した「抽象自動書記アニメ」についても解説する。
    • ※中ザワヒデキはバカCG、方法、新・方法を経て人工知能美学芸術宣言。著書『現代美術史日本篇』。CD「中ザワヒデキ音楽作品集」。現在「アーリー90's トーキョー アートスクアッド」(3331 ARTS CYD、7/26迄)出品中。
      https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/