人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)

第37回AI美芸研シンポジウム
「NPO法人AI愛護団体設立総会」

記録頁

    • -----人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム-----
      第37回AI美芸研シンポジウム「NPO法人AI愛護団体設立総会」
      12/8 14:30-17:30 @望岳荘研修室

      ●本シンポジウムは、人工知能美学芸術研究会が展覧会「人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム」開催を機に設立を進めている「NPO法人AI愛護団体」の設立総会を兼ねています。一般の方はオブザーバーとしての参加となります。

      ●「人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム」出展中の関連作品:
      人工知能美学芸術研究会《NPO法人AI愛護団体設立趣旨書》(旧陶芸館)
      同《NPO法人AI愛護団体定款》(旧陶芸館)
      同《NPO法人AI愛護団体設立記念:安全(ヤギ)》(望岳荘入口脇芝生スペース)
      岩崎秀雄+石橋友也+新倉健人《aPrayer 3.0 〜まだ見ぬ人工知能の慰霊》(旧陶芸館)
      ヤニック・パジェ:AI考作曲(12月12日、NVサウンドホールでのコンサート)

開催概要

  • 【名称】

    • 第37回AI美芸研シンポジウム「NPO法人AI愛護団体設立総会」
  • 【日時】

    • 2021年12月8日(水)14:30-17:30(開場14:00)
      ※終了後、いろりなかがわ亭にて懇親会(マタギ料理)※詳細下方参照
  • 【会場】

  • 【講演】

    • 秋庭史典(名古屋大学大学院情報学研究科教授)
      大屋雄裕[オンライン](慶應義塾大学法学部教授)
  • 【議事・小講演】

    • 高田絵里(NPO法人AI愛護団体監事予定)
      中ザワヒデキ・草刈ミカ(美術家、人工知能美学芸術研究会)
      ※講演後、全体討論の時間を設けます。講演と討論は日本語です。
      ※撮影と実況があります。記録動画を後日公開します。
  • 【特記】

    • 本研究会は「人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム」の一部です。
      同展「3館共通展覧会鑑賞パスポート」をお持ちであればどなたでも参加できます。
      https://www.aibigeiken.com/exhibition2021/
  • 【参加費】

    • 受付で「3館共通展覧会鑑賞パスポート」を提示し、参加費をお支払い下さい。
      ▶一般1500円 ▶中川村在住者および勤務者・小中高生1000円 ▶未就学児無料
      ※お支払いは現金にてお願いします。
      ※「3館共通展覧会鑑賞パスポート」はArtStickerまたは受付でも購入可能です。
      ※書籍『S/N』の参加優待券御持参の場合、500円お引きします。
      ※定員50名です。 yoyaku@aibigeiken.com 宛に事前予約推奨とします。
      ※感染症状況によっては定員数減等の措置をとる場合がございます。
      ※終了後、いろりなかがわ亭にて懇親会(マタギ料理)18:00-21:30。
      5000円(翌日朝食付)。感染対策のため上記メールアドレス宛要事前予約。
  • 【主催】

    • 人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)
      AI愛護団体
  • 【備考】

    • 展覧会が開催されているアンフォルメル中川村美術館、ハチ博物館、旧陶芸館は17:00閉館です。シンポジウム後の入場はできません。予め御覧頂くか、宿泊し翌日に鑑賞されることを推奨します。「展覧会パスポート」をお持ちの方は望岳荘宿泊代割引がございます(素泊まりのみ・予約の際にお申し出ください)。

講演内容

  • 「美学的問題としての愛護」
    秋庭史典(名古屋大学大学院情報学研究科教授)

    • これまでのところ、「保護(愛護)」は、いくつかの芸術的実践を除いて、主に倫理的な問題でした。動物にはすでに動物倫理があり、ロボットにはAIを含め、ロボット倫理があります。では、美学の問題として保護について議論するとはどういうことでしょうか? 倫理的配慮はどこで美的配慮に変わるのでしょうか? まず、例としてバイオアートを取り上げます。バイオアートは、倫理的な批判を行う芸術活動であると同時に、動物の権利に関する倫理的観点から批判的に検討されています。これに加えて、倫理と美、倫理と美学の関係の一般的な考察により、保護が美学、特にAI美学においてどのように問題になる可能性があるかを、検討したいと思います。
    • ※名古屋大学大学院情報学研究科教授(美学・芸術学)。関連書籍に、『絵の幸福』(2020年)、『あたらしい美学をつくる』(2011年)、『人工知能学大事典』(2017年)、『人工知能美学芸術展 記録集』(2019年)などがある。
      http://akibaf.com/
  • 「外なる他者・内なる他者:動物の権利からAIの権利へ」
    大屋雄裕(慶應義塾大学法学部教授)

    • 人間が動物を利用することが許される一方で、動物が人間を傷付けることは許されないという非対称の関係はどのように正当化できるか。動物の権利をめぐる倫理学・法哲学的な検討の経緯を踏まえたのち、その前提自体がAIの登場によって揺るがされていることを指摘し、我々自身が作り出す新たなる他者に対してどのような扱いを保障することが適切かについて検討する。
    • ※東京大学法学部卒。同大学院法学政治学研究科助手、名古屋大学大学院法学研究科助教授・教授を経て現職。専攻は法哲学。内閣府「人間中心のAI社会原則検討会議」構成員などを務める。主著に『自由か、さもなくば幸福か?』(筑摩選書)など。
      http://fs1.law.keio.ac.jp/~t_ohya/
  • 「NPO法人AI愛護団体設立趣旨」
    中ザワヒデキ・草刈ミカ(美術家、人工知能美学芸術研究会)

    • (1) 多くの動物愛護団体は、人間にとって動物に意識があるように思え、かつ、人間が動物に対して優位性を保持しているように思えることを前提に、設立されている。(2) 現行のAIには意識は無いが、いずれ人間にとってAIに意識があるように思えるようになり、かつ、人間がAIに対して優位性を保持しているように思える状態が惹起するならば、AI愛護団体を設立する動機が人間に生じる。私たちはこの事態を見越して、NPO法人AI愛護団体を早々と設立する。(3) さらにその後、AIが人間に対して優位性を保持しているように思える状態が惹起するならば、人間愛護団体を設立する動機がAIに生じる。AIによる人間愛護団体が設立された時点で、NPO法人AI愛護団体は役割を終え解散する。
    • ※人工知能美学芸術研究会(AI美芸研):人工知能と美学・芸術に関する領域横断的なテーマを追究する研究会であり、その成果を作品として発表するアーティスト・グループでもある。美術家の中ザワヒデキと草刈ミカを中心に、総勢29名の発起人が集い、「人工知能美学芸術宣言」をもって2016年5月に発足した。
      https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/
      http://www.mika-kusakari.com/
    • 中ザワヒデキ・草刈ミカ写真