人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)

第39回AI美芸研シンポジウム
「群知能」

(※記録頁:準備中)

    • -----人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム-----
      第39回AI美芸研シンポジウム「群知能」
      12/18(土) 14:30-17:30 @望岳荘研修室

      アンフォルメル中川村美術館、ハチ博物館(望岳荘内)、旧陶芸館(望岳荘敷地内)の3館を主会場として、展覧会「人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム」が今週末の12月19日(日)まで開催されています。
      残り日数は本日含めて3日間です。

      本日12月17日(金)……アンフォルメル中川村美術館でのナンカロウ定時演奏の最終日です。
      明日12月18日(土)……望岳荘研修室で、第39回AI美芸研シンポジウム「群知能」が開催されます。
      明後日12月19日(日)……NVサウンドホールにて、AI美芸研コンサート「群知能作曲、あるいは総譜のない音楽」が開催されます。また、展覧会の最終日です。

      今回の御案内は、明日の第39回AI美芸研シンポジウム「群知能」についてです。

      ●群れることで、各個体の能力を超えた能力が、群れ全体として創発される知能のことを群知能と呼ぶ。ハチの巣等に典型的に見られるこうした群知能は、「機械美学/機械芸術」への重要な示唆であろう。

      ●「人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム」出展中の関連作品:
      富永朝和《ハチ博物館》(ハチ博物館)
      富永朝和《ハチの巣》(アンフォルメル中川村美術館アトリエ棟)
      一ノ瀬響:群知能作曲、あるいは総譜のない音楽(12/19、NVサウンドホールでのコンサート)

開催概要

  • 【名称】

    • 第39回AI美芸研シンポジウム「群知能」
  • 【日時】

    • 2021年12月18日(土)14:30-17:30(開場14:00)
      ※終了後、いろりなかがわ亭にて懇親会(マタギ料理)※詳細下方参照
  • 【会場】

  • 【講演】

    • 栗原聡(慶應義塾大学理工学部教授、慶應義塾大学共生知能創発社会研究センター センター長)
      森山徹(信州大学准教授)
      富永朝和(蜂研究家、ハチ博物館プロデュース)[特別講演]
      中ザワヒデキ・草刈ミカ(美術家、人工知能美学芸術研究会)[小講演]
      ※講演後、全体討論の時間を設けます。講演と討論は日本語です。
      ※撮影と実況があります。記録動画を後日公開します。
  • 【特記】

    • 本研究会は「人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム」の一部です。
      同展「3館共通展覧会鑑賞パスポート」をお持ちであればどなたでも参加できます。
      https://www.aibigeiken.com/exhibition2021/
  • 【参加費】

    • 受付で「3館共通展覧会鑑賞パスポート」を提示し、参加費をお支払い下さい。
      ▶一般1500円 ▶中川村在住者および勤務者・小中高生1000円 ▶未就学児無料
      ※お支払いは現金にてお願いします。
      ※「3館共通展覧会鑑賞パスポート」はArtStickerまたは受付でも購入可能です。
      ※書籍『S/N』の参加優待券御持参の場合、500円お引きします。
      ※定員50名です。 yoyaku@aibigeiken.com 宛に事前予約推奨とします。
      ※感染症状況によっては定員数減等の措置をとる場合がございます。
      ※終了後、いろりなかがわ亭にて懇親会(マタギ料理)18:00-21:30。
      5000円(翌日朝食付)。感染対策のため上記メールアドレス宛要事前予約。
  • 【主催】

    • 人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)
  • 【備考】

    • 展覧会が開催されているアンフォルメル中川村美術館、ハチ博物館、旧陶芸館は17:00閉館です。シンポジウム後の入場はできません。予め御覧頂くか、宿泊し翌日に鑑賞されることを推奨します。「展覧会パスポート」をお持ちの方は望岳荘宿泊代割引がございます(素泊まりのみ・予約の際にお申し出ください)。

講演内容

  • 「群知能型システム構築アプローチへの期待」
    栗原聡(慶應義塾大学理工学部教授、慶應義塾大学共生知能創発社会研究センター センター長)

    • 群れることで、各個体の能力を超えた能力が、群れ全体として創発される知能のことを群知能と呼ぶ。人も含めて生物にて発揮される知能は総じて群知能型であり、ボトムアップ型のシステム構築アプローチである。このアプローチにより、生物という高い適応性と複雑性を持つシステム構築が実現されている。これに対し、現在のAIを含む、人類が生み出したテクノロジーは総じてトップダウン型であり、高い最適性を発揮するものの、ボトムアップ型の特徴が苦手である。ボトムアップ型の群知能の工学的な利用に向けた取り組みはこれまでにも多く存在し、そのいくつかを紹介するとともに、第3次AIブームの次の段階として群知能が重要な要素技術となると考える理由について考察する。
    • ※博士(工学)。NTT基礎研究所、大阪大学、電気通信大学などを経て、2018年から現職。電気通信大学に国立大学では初となる人工知能先端研究センター(初代センター長)を設立。マルチエージェント、複雑ネットワーク科学、群知能などの研究に従事。第14回AI美芸研登壇。
      http://www.ai.comp.ae.keio.ac.jp/
  • 「存在と行動抑制ネットワーク」
    森山徹(信州大学准教授)

    • 猫がそこにいることは、猫がそこから立ち去らないことで成立する。石がそこにあることは、石が崩れ去らないことで成立する。モノゴトの存在は、モノゴトがなくならないことで成立する。私たちは、モノゴトがなくならないことを御することはできず、それをモノゴトに委ねるしかない。同様に、目の前のモノゴトの状態は、その状態以外の多くの状態が、現れず、隠れることで成立する。モノゴトの内部に隠れた状態たちの作るネットワークを、私たちは、行動抑制ネットワークと呼ぶことを提唱し、これを心の表外読み、「うら」の概念モデルと考えた。心(うら)と意識はどのような関係にあるのか。本講演では、この関係をみなさんと一緒に議論したい。
    • ※ダンゴムシ、オオグソクムシ、ミナミコメツキガニ、そして、モノゴトの心の研究に従事。心の行動抑制ネットワーク仮説を提唱し、その可能性を探る。主な著書に『ダンゴムシに心はあるのか』『モノに心はあるのか』。
      http://tohru-moriyama.jp/
  • 「ハチ博物館の驚異と、富永朝和氏による特別講演について」
    中ザワヒデキ・草刈ミカ(美術家、人工知能美学芸術研究会)

    • 人工知能の隣接分野である群知能への関心から、ハチやアリの群れに創発する知性をたどるうちに長野県中川村のハチ博物館に引き寄せられ、おおいに驚嘆した。この度の展覧会「人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム」が中川村で開催されることとなった、そもそものきっかけである。本年7月7日、映画監督の山岡信貴氏と初めて訪れた中川村で、ハチ博物館プロデューサーの朝永朝和氏から3時間以上にわたる大変貴重で興味深いお話を伺った。これは私たちの人生における忘れることのできない事件であり、本展推進の原動力である。
      シンポジウム会場である望岳荘内の研修室は、ハチ博物館の斜め向かいに位置する。会の中盤で、参加者全員でハチ博物館内に移動し、胴回りが6メートルの巨大ハチの巣の目の前で、富永氏御本人から特別にお話を伺う予定である。
    • ※富永朝和:蜂研究家、ハチ博物館プロデュース、日本昆虫学会会員。1994年、4メートル10センチの蜂の巣づくりに成功。著書『蜂になった男』(信濃毎日新聞社、2000年)。
      https://www.hachimitsukobo.com/about-asakazu-tominaga
    • ※人工知能美学芸術研究会(AI美芸研):人工知能と美学・芸術に関する領域横断的なテーマを追究する研究会であり、その成果を作品として発表するアーティスト・グループでもある。美術家の中ザワヒデキと草刈ミカを中心に、総勢29名の発起人が集い、「人工知能美学芸術宣言」をもって2016年5月に発足。
      https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/
      http://www.mika-kusakari.com/
    • 富永朝和写真撮影者クレジット入り 中ザワヒデキ・草刈ミカ写真