人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)

第44回AI美芸研@熊本市現代美術館
「ChatGPTと現代アート:AI美芸研の活動から」

→ ※記録頁

    • 芸術家はAIに駆逐されるのか。人類はAIに取って代わられるのか。
      2023年6月4日(日)、人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)は熊本市現代美術館(CAMK)にて第44回となるAI美芸研を公開で開催致します。ChatGPTや生成AIと現代芸術について、真摯深遠に語り合います。ここ熊本現美での討議は、近隣の熊本城ホールで同6月4日から開催される人工知能学会国際シンポジウム、そして6月6日から開催される第37回人工知能学会全国大会にも、価値ある一石を投じることとなるでしょう。(AI美芸研代表の美術家・中ザワヒデキは6月6日の学会セッションでも発表予定。)

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      熊本市現代美術館(CAMK)では、美術家の中ザワヒデキ、草刈ミカをゲストに迎えたトークイベント「ChatGPTと現代アート」を開催します。
      2016年に中ザワ、草刈を中心として発足した人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)は、「人間が人工知能を使って創る芸術のことではない。人工知能が自ら行う美学と芸術のことである」とする「人工知能美学芸術宣言」を布石として、活動を続けてきました。
      AIは今後、自律的に芸術を創造し始める可能性があるのでしょうか? また、既にある「人間がAIを使って制作した芸術」ではなく、「AIみずからが創造した芸術」が今後現れるとしたら、どのような形をとっていくのでしょうか?
      本イベントでは、AI美芸研の活動の歴史を振り返りながら、昨今注目が集まるChatGPTと現代アートをテーマとしたトークを行います。

      主催:熊本市現代美術館、人工知能美学芸術研究会
      共催:NPO法人AI愛護団体
      後援:人工知能学会

開催概要

  • 【名称】

    • 第44回AI美芸研@熊本市現代美術館「ChatGPTと現代アート:AI美芸研の活動から」
  • 【日時・会場】

    • 2023年6月4日(日)17:30-19:30(開場17:00)
      熊本市現代美術館アートロフト(熊本市中央区上通町2-3)
      https://www.camk.jp/information/access/
      ※終了後、近隣のお店にて懇親会を予定(熊本料理)。
  • 【参加費】

    • 無料(定員30名・予約不要/懇親会は実費)
      ※懇親会参加希望の方は事前人数把握の為、 yoyaku@aibigeiken.com 宛にお早めにお申し込み下さい。
  • 【出演】

    • 中ザワヒデキ(美術家・人工知能美学芸術研究会[AI美芸研]代表)
      草刈ミカ(美術家・人工知能美学芸術研究会[AI美芸研]企画制作)
      花田伸一(キュレーター・佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授)
      佐々木玄太郎(熊本市現代美術館学芸員)
      ※後半に全体討論の時間を設けます。
      ※撮影を行います。記録動画を後日公開します。
  • 【主催】

    • 熊本市現代美術館(CAMK) camk.jp
      人工知能美学芸術研究会(AI美芸研) aibigeiken.com
  • 【共催】

  • 【後援】

講演内容

  • 「人の美意識もAIにハックされるのか?」
    中ザワヒデキ(美術家、人工知能美学芸術研究会、NPO法人AI愛護団体)

    •  このタイトルは、6月6日に私が招かれスモールトークをすることになっている人工知能学会全国大会企画セッション「KS-3 アートにおいても敗北しつつある人間 〜人の美意識もAIにハックされるのか?〜」から取られたもので、言わばお題として与えられたものだが、2022年夏に登場した「Midjourney」等の生成AI、そして同年暮れに登場した「ChatGPT」等の対話AI(ともに大規模言語モデルAI)の衝撃と脅威をよく表徴している。さらには、人工知能研究の知見を通して私が確信することができた、美意識も美の価値も唯物論的進化論で説明可能という結論とも通底する。人工知能学会では著作権の運用やルール作り等、我々が目下直面している数々の議題に終始することが予想されるが、AI美芸研ではより俯瞰的に今日または未来のAIが諸学芸の概念や人類史を変容する強大な力について語りたい。
    • ※中ザワヒデキ……美術家。アクリル絵画→バカCG→方法絵画→本格絵画→新・方法→AI美芸研。ビットマップ3D関連特許。著書『近代美術史テキスト』『西洋画人列伝』『現代美術史日本篇』。CD『中ザワヒデキ音楽作品集』。元・文化庁メディア芸術祭審査委員。
      https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/
  • 「人工知能に美意識は芽生えるか:AI美芸研の活動から」
    中ザワヒデキ・草刈ミカ(美術家、人工知能美学芸術研究会、NPO法人AI愛護団体)

    •  囲碁AI「アルファ碁」が世界チャンピオン棋士を打ち負かし、深層学習(ディープラーニング)が目覚ましい成果を上げ、第3次AIブームと騒がれていた2016年5月1日、私たちはAI美芸研を結成した。そして大規模言語モデルAI「ChatGPT」が世界に多大な衝撃を与えている2023年5月1日、当会は結成7周年を迎えた。この度の喧騒を第4次ブームとし、第3次ブームからシームレスに突入したと見る向きもあるが、当会見解では2019年頃にプチ冬の時代を経験している(当会制作「人工知能美学芸術年表」2021年第2版・2022年第3版に記載)。それはともかく、「人工知能に美意識は芽生えるか」という当初からの当会テーマが、より現実味を増したことは疑いない。当会活動を振り返りつつ、ストレートな芸術よりは反芸術の立場から、人類の存在意義に疑問符を突きつけたい。
    • ※人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)……人工知能と美学・芸術に関する領域横断的なテーマ を追究する研究会であり、その成果を作品として発表するアーティスト・グループでもある。美術家の中ザワヒデキ(1963- )と草刈ミカ(1976- )を中心に、総勢29名の発起人が集い、「人工知能美学芸術宣言」をもって2016年5月に発足した。公開の研究会やシンポジウムを継続的に開催しつつ、展覧会、コンサートなども行っている。2017-2018 年には沖縄科学技術大学院大学にて「人工知能美学芸術展」を開催した。中ザワヒデキはインターネットが主流になる以前からCGを用いて作品制作を行い、「方法主義宣言」(2000年)を発表するなど、日本におけるコンセプチュアル・アートのなかで特異な位置を示す。草刈ミカは「凹凸絵画」(2002年- ) といった作品シリーズを展開する美術家である。人工知能は独自の美学を持ちうるか、芸術の創作をしうるかというシンギュラリティ(技術的特異点)の問題にも絡む問いを起点に、美学や芸術、人間存在の本質を再考する(以上、「平成美術:うたかたと瓦礫 1989-2019」展図録より)。2021年、「人工知能美学芸術展:美意識のハードプロブレム」(アンフォルメル中川村美術館+ハチ博物館+旧陶芸館)。2022年、「人工知能美学芸術展:演奏家に指が10本しかないのは作曲家の責任なのか」(パルテノン多摩)。同年、NPO法人AI愛護団体設立。
      https://www.aibigeiken.com/
      https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/
      http://www.mika-kusakari.com/
    • 中ザワヒデキ・草刈ミカ写真